肩は、大きく動かせるように複雑な仕組みをしています。 「鎖骨」「肩甲骨」「上腕骨」からなる肩関節は、体の関節の中でも最も運動範囲が広い場所です。 上腕骨の端(骨頭)がはまる肩甲骨のくぼみが浅くなっているため、腕を上げたり、回すといった肩の大きな動きができるのです。 くぼみが浅いために、不安定になりやすいという弱点があります。 肩関節の周囲には、不安定さを補うために、複数の筋肉や、筋肉と上腕骨をつなぐ「腱(けん)」、骨と骨をつなぐ「靱帯(じんたい)」があります。 肩関節は、複雑な仕組みによって大きな動きを安定して行なえるようになっているのです。 そのため、肩関節に小さな障害が起きただけでも、肩を動かす際には大きな負担となり、肩の痛みが起こりやすくなるのです。...
肩に原因があって、肩の痛みが起こるもので、最も多いのが「五十肩」です。 五十肩のような病気は、肩関節の周囲に炎症が起きて、強い肩の痛みが全体に起こるものです。 このような肩の痛みが起こる病気は、五十肩以外にも様々なものがあります。 腱板(筋肉と上腕骨をつなぐ複数の腱が集まったもの)が切れる「腱板断裂」や、腱板に石灰が付着する「石灰性腱板炎」があります。 そのほかに、肩関節や靱帯が緩んで脱臼しやすくなる「肩関節不安定症」や、上腕骨の骨頭の軟骨が磨り減って変形する「変形性関節症」があります。 「関節リウマチ」「感染症」「骨の腫瘍」なども肩に炎症が起こり、肩の痛みが発症する病気です。 肩の筋肉疲労が原因で起こる肩の痛みは、血行が悪くなる事で起こるもので病気ではありません。 しかし、原因を見極めた対処が必要になることもあります。...
肩の痛みは、肩以外に原因があって起こる場合もあります。 内臓の病気や頚椎の病気が原因でも肩の痛みが起こるのです。 心筋梗塞や狭心症などの心臓の病気では、肩から腕にかけて痛みが起こることがあります。 肝臓、胆のう、膵臓の病気があると、肩から右側の背中にかけて強い痛みが生じることがあります。 心因性の病気でも、肩の痛みが起こることがあります。 その場合、診察や検査を行ってもはっきりとした原因は見つからず、痛みむ部位や症状もはっきりしないことが多いのです。 頚椎(首の骨)の病気では、頚椎には肩から腕にかけて神経が通っているため、肩の痛みやじびれを感じることがあるのです。 『肩の痛みを単なる肩こりだと思っていたら病気だった』などという事もあるので、自己判断は避けたほうが良いでしょう。 特に「肩が熱をもっている」「肩の痛みがどんな姿勢でもある」「肩が上げられない」という時は、すぐに整形外科を受診してください。...
肩の痛みが起こる「腱板断裂」とは、肩の様々な動きを可能にする腱板が、裂けたり切れたりする病気です。 腱板には、肩を動かすための大事な「かじ取り」の役割があります。 そのため、腱板断裂を起こすと、肩の痛みが起こるだけでなく、肩が十分に動かせなくもなります。 腱板断裂は、50?60歳代に多い病気です。 自然に切れる場合と、転倒などで肩に衝撃が加わって起こる場合があります。 日常生活で肩をあまりいろいろな方向へ動かさない人や、加齢によって腱板の柔軟性が低下している人は、腱板が弱っているので、自然に切れやすくなります。 肩に衝撃があって切れたのでなく、自然に切れた場合は、肩の痛みが起こっても「肩こり」や「五十肩」と思ってしまうことがあり、そのまま放置して、腱板が完全に切れて手術が必要になってしまうことがあります。...
腱板断裂では、腱板が裂けたり切れたりするために、肩の痛みが生じます。 「滑液包(かつえきほう)」に炎症が起きるため、安静時にも肩の痛みがあります。 腱板断裂で現れる症状は、肩の痛みだけでなく、肩や腕を上に動かしづらくなったり、腱板が切れて肩にズレがでて、肩を動かすと音がしたりします。 また、切れた腱板とつながっていた筋肉が使われなくなるため、肩の筋肉がやせてきたりもします。 腱板断裂の治療法には、「保存療法」と「手術療法」があります。 腱板が完全に切れている時は、手術療法が行なわれ、完全に切れていない時は、消炎鎮痛薬の内服薬や湿布薬などを使用した保存療法が行なわれます。 肩の痛みが強い場合は、「ステロイド薬」と「局所麻酔薬」を混合したものを患部に注射します。...